Appleが自社製品(MacやiPhoneなど)のために独自に設計している高性能なプロセッサ(半導体チップ)の総称です。
2006年から2020年まで、MacにはIntel社製のチップが使われていましたが、2020年以降、Appleが自社開発したチップへの移行が始まり、2023年にはApple Siliconへ切り替わりました。このIntel社製チップと区別するため「アップル シリコン(Apple Silicon)」と言われます。
主な特徴
- 高い処理能力と省電力性
頭脳にあたるCPU、グラフィックス用のGPU、メモリ(RAM)などを1枚のチップに統合(SoC)しており、処理のロスがありません。これにより、驚異的な処理スピードを持ちながらもバッテリーが非常に長持ちします。 - 静音性と低発熱性
省電力であるため発熱が少なく、ノートパソコンなどではファンが回らなくても静かに高負荷な作業をこなすことができます。 - ユニファイドメモリ(UMA)による超高速処理
CPU、GPU、RAM(メモリ)が1つのチップに完全に統合されています。データをコピーする手間が省けるため、データのやり取りが超高速になり、効率的なマルチタスクやグラフィック処理が行えます。
移行期の互換維持の仕組み
Apple Siliconへの移行が始まった当初、困ったのが「Intelチップで動作していたアプリが動かなくなるのでは」という問題。Appleはこれを解決するために「Rosetta 2(ロゼッタ2)」という仕組みを提供しました。これは、Intel向けに作られたアプリをApple Silicon上で動かすための翻訳ソフトで、ユーザーは意識せずに使い続けることができました。
ただし、翻訳を挟む分わずかに処理の負荷が増えるため、各アプリのメーカーがApple Siliconにネイティブ対応することをユーザーが望む声は少なくありませんでした。
Google日本語入力は、このApple Siliconにネイティブ対応しておらず、使用するにはRosetta 2を経由する必要がありました。日本語入力時には多くの入力を処理する必要があるため、スピードが落ちたりバッテリー消費を心配する声がありました。Google日本語入力が今年2026年2月にAppleシリコン(M1以降のMac)に正式対応しましたので、その心配はもう不要で、今やおすすめのアプリの一つです。
代表的なシリーズと搭載デバイス
- Mシリーズ(Mac/iPad向け): M1、M2、M3、M4などがあります。MacBook AirやMacBook Pro、iMacなどに搭載され、動画編集から日常的な作業まで圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
- Aシリーズ(iPhone/iPad向け): iPhoneに搭載されている「A14 Bionic」や「A18」といったチップもアップル シリコンの一部です。
- Sシリーズ / その他のチップ: Apple Watchの頭脳や、AirPodsのチップ(Hシリーズなど)もこれに該当します。
最新世代チップM5の登場
2025年10月、AppleはM5チップを発表しました。
前世代のM4と比べると、AI処理の性能が最大4倍以上向上し、複数の作業を同時にこなす処理速度も最大15%速くなっています。データの受け渡し速度も約30%上がり、動画編集やAI処理といった重い作業でもファンが回らず静かなまま動き続けます。
M1の登場からわずか5年で、Apple Siliconはここまで進化しています。
